いぬのしつけは何のためにするのでしょうか?
飼い主の指示に従う子にするため?
主従関係をつくるため?
犬は私たち人間社会の中で暮らしています。人間社会で暮らすということは、犬も人間社会のルールを守らないといけないということです。
散歩ではどこでもオシッコをしていいわけではありません。横断歩道では赤信号で飛び出してはいけないし、道路の真ん中を歩いてもいけません。
知らない人にいきなり飛びついたら相手がびっくりしてしまうし、来客があるたびに大きな声で吠え立てたらご近所の迷惑になってしまいます。
こうした人間社会のルールやマナーを教えること、そして、他人の迷惑にならないようにすることが「しつけ」です。そのために必要があれば「オスワリ」や「マテ」などの動作を教えることがありますが、単に「オスワリ」や「マテ」を教えることがしつけではありません。
犬のしつけの極意は、飼い主さんの望むことを愛犬が自ら喜んで行動するように導くことです。
よくおやつをご褒美に使う方法が紹介されていますが、おやつで教えることはおすすめしません。
おやつで教えると、はじめはよく覚えてくれるので飼い主さんはとっても助かります。ですが、そのうちにおやつにしか興味がなくなってしまうことが多いのです。
そうなると、おやつがあるということを聞くけれど、おやつがないということを聞かないということが往々にして起こります。
これでは、しつけをした意味がありません。何より飼い主さんから気持ちが離れてしまうのがおやつで教えることの怖いところです。
おやつがなくても、いつでもどんなときでも飼い主さんの言葉や気持ちに応えてくれる愛犬にしましょう。それが愛犬の命を守ることにもつながるのです。